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ペットの広場

猫に九生あり

「猫に九生あり」あるいは「猫には9つの命がある」ということわざをご存じでしょうか。

正確な起源はわかりませんが、イギリスの小説家ウィリアム・ボールドウィンが1560年に出した「Beware tha Cat」(猫にご用心)という作品中の「魔女はその猫の体を9回使うことを許されるのだ」という一節や、シェイクスピアの戯曲として有名な「ロミオとジュリエット」中の、「猫王どの、9つあるというおぬしの命がたったひとつだけ所望したいが」という一節に、こうした表現をみることができます。

また、1930年に著された「猫と魔術と神話辞典」では、紀元前450年頃のエジプトにおいて九柱神であるオシリスとイシスの娘が、「バステト」という猫の姿をした女神であるとみなす通念があったとしています。エジプトの思想に触れた国々では、太陽と月、そしてその象徴である猫に、古代エジプト人にとって神聖な数字であった「9」を重ねたのかも知れません。

日本でも、昔から猫にまつわる話は多く存在し「飼い猫が1貫、もしくは2貫を超えると化ける」「13年飼った古猫は化け、50年を経ると尾が分かれ霊力を身につけて猫又になる」などといわれ、それを妖怪と捉えたり、家の護り神となると考えたり解釈は様々です。

他にも「招き猫」がそうであるように、猫には特別な力が備わっていると考えられていました。このように神秘的なイメージがあり、人間にはとても真似できないような行動を平気でこなし、突然家出をしたかと思うと2~3日後に何食わぬ顔でふらりと帰ってくる。

ちる

「猫に九生あり」という表現は、数千年の時を経て「なかなか死なない」「しぶとい」といった意味合いで多く用いられていますが、いつの時代であっても、猫 の命は1つしかありません。また絵本のように100万回生きることもできません。しかし、死の危険を1回かわすことを「一生」として数えるならば、「九 生」を全うすることも決して不可能ではないでしょう。

 病気や怪我、事故の予防、ストレスや食事の管理など、たくさんの猫たちが「九生」を実現するために、動物看護師としてこれからもお手伝いができればと思います。